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損をしないために知っておきたい“投資用物件の売り時”

不動産はいつ売るのが正解なのでしょうか。オリンピックが開催されるということで価格が高騰している投資用物件ですが、築年数や設備によっても価格は大きく異なります。データを基に「売り時」について考えて行きたいと思います。

不動産を“手放す”のも勇気

不動産売却を考える男性

アパートローンの借り換えと同時に検討するべきなのが“今後もその不動産を所有した方が良いのか否か”です。
多くの投資家達はただ漫然と不動産を所有し続けておりますが、不動産の価値は常に変動しており、今後も現在の価値をキープ出来るのかどうかは分かりません。
5~10年毎に検討されることが多い「借り換え」ですが、同時に不動産の価値と想定される利回りについても改めて確認することが重要です。
当ページでは、不動産を売却する判断ポイントや注意点等についてデータを基に解説していきたいと思います。

売却の判断ポイント

不動産の市場調査を行っている株式会社不動産経済研究所の資料によると、首都圏のマンション価格平均は以下の通り推移しています。

新築マンション価格推移

※平均価格単位…(万円)、販売戸数単位…(戸)

こちらは居住用・投資用の別を問わずに集計した首都圏の販売戸数及び新築マンション価格の推移で、不動産の平均価格は概ね5,000万円~7,000万円と、2,000万円近く幅が開いていることが分かります。
もちろん、この集計方法ですと当該時期に建設されたマンションのエリアによっても変動が生じますが、動向をチェックするには十分な指標であると言えます。

販売戸数に大きな差

最大では2,000万円近くの差が付いてしまってはいるものの、ほぼ6,000万円前後を推移しており、大きな価格下落はみられませんでした。
一方で販売戸数は月毎に大きな開きが見られておりますが、こちらも需要が上がったことによる変動は確認できません。
しかしながら、2019年に入りジワジワと再度価格が上がってきており、不動産への関心は依然高いことが分かります。

売却する基準

今後損をしてしまうのであれば当該不動産は手放してしまった方がよいですし、儲かるのであれば維持していた方がよいのは言うまでもありません。
そのため、売却するか維持するかの判断は“今後どのくらいの収入が得られるのか”が鍵となります。

基本的には、

表面利回りの計算式
想定利回り = 年間想定収入(1年分の賃料) 物件購入価格 × 100

が表面利回りの計算式となりますが、こちらはあくまでも現在の価値から想定した利回りであり、実際にはランニングコストや下記の「下落率」までをも視野に入れる必要があります。

築年数と下落率

東京の中古マンションの坪単価平均は、築年数に応じて以下のように下がっていきます。

築年数 坪単価(万円)
1年 261.4
5年 232.1
10年 203.8
15年 175.0
20年 149.6
30年 147.6
40年 142.1

例えば、仮に7坪(約22.6㎡)・築5年のマンションの物件を購入したとすると、購入時は「1,624万円」ですが、10年後には「1,225万円」にまで下がってしまう計算です。

次に、物件ではなく家賃の下落率について考えていきたいと思います。
一般的に、家賃は以下の通り下落していくと言われています。

築年数 下落率
新築~3年 +0.3~0程度
3~10年 -1.7%程度
11~20年 -0.6%程度
20年~ -0.1%程度

したがって、築年数が比較的浅い時期であれば価格の下落率が大きく、20年以上保有している場合は不動産としての価値及び賃料が安定しているということになります。
価格の変動が起こりやすい築浅物件は今後の動向に注意しつつキャピタルゲイン(売却による収益)が得られそうであれば売却、築20年を経過した物件であればしばらくは様子見、といったスタンスがベターと言えるのはないでしょうか。

オリンピックの影響はいかに?
2020年東京オリンピックロゴ

2020年に東京オリンピックが開催されるということで、海外(主に中国)の投資家が首都圏の物件を継続的に買い付けているという動きがみられます。
そのため都心部の物件は一定の需要をキープし続けており、値が下がらない要因ともなっています。

事例を挙げますと、2006年に行われた「北京オリンピック」の状況に近いです。
北京オリンピックでは2003年頃から周辺地域の地価が著しく上昇しましたが、開催の1年程前には暴落し、多くの人が損をしてしまいました。

ただし、東京は世界的に見ても影響力の高いグローバル都市であり、東京オリンピックだけが高騰の原因とは言い切れません。
2019年から2020年に掛けての物件動向は逐一チェックするようにしましょう。