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ローン解約は原則不要?借り換え手続の注意点まとめ

借り換えを行う場合、既存金融機関側とはどのようなすり合わせが必要なのでしょうか。ローン解約手続・金利交渉等が考えられますが、どのように動くのが望ましいのかについて分かりやすく解説したいと思います。

既存銀行との連携

既存契約金融機関との解約書類に署名・捺印する

今までは「借り換え先となる金融機関」への手続や交渉について解説しておりましたが、既存銀行又は信用金庫(借り換え前の金融機関)とはどのように連絡を取り合う必要があるのでしょうか。
当ページでは、既存金融機関との連携ローン解約手続の要否について解説していきたいと思います。

基本的には連絡不要

自身で借り換え交渉を進める場合であっても、エージェントを利用する場合であっても、基本的には既存金融機関側に借り換えを進めている旨の連絡は必要ありません。
なぜならば、債務の履行はいつ行っても問題がないからです。(約定がある場合を除く
例えば「1万円を月末までに返す」という債務があったとしても、「月の半ばに1万円が用意できたので返した」となっても、民法上は何の問題もありません。

これを、民法で「期限の利益の放棄」と呼び、契約内で特段の定めをしない限りは原則としていつ債務を履行しても問題無いとされています。
したがって、借り換え先からローン残金を借りた後は「既存金融機関にはお金を返して終わり」ということになり、事前に相談しなくても弁済(返済)はできてしまうのです。
ただし、以下に該当する場合には事前に連絡し、すり合わせを行う必要があります。

金利交渉を行うケース

金利交渉を行うのであれば、当然ですが事前の打ち合わせは必須です。
ただし、ある程度他社の条件が煮詰まった段階で行うことをお奨めいたします。
客観的な資料があった方が、既存金融機関側も「もう少し良い条件がだせる」「その条件以上では難しい…」といった判断がしやすいためです。
他社との交渉がまとまった段階で担当者にアポイントメントを取ると良いでしょう。

違約金が発生するケース

前述した通り、交渉を行わない限りは基本的に既存金融機関側に連絡する必要がありません。
しかし、最近では金銭消費貸借契約内で「違約条項」を設定しているケースがあります。

この場合、約定の違約金を支払う必要がありますので、事前にいくら掛かるのかを確認しておく必要があります。
なお、こちらの手続については新規借入先の金融機関が行ってくれますが、当該確認は基本的に申し込み後に行われますので、事前に知りたいのであれば予め連絡をしておく必要があるでしょう。
もちろん、「大まかな額が分かっているから知らなくても大丈夫」という方は、敢えて連絡する必要はありません。

書類の授受は代行又は郵送

アパートローンを返済しますと、抵当権も消滅します。これを民法で「抵当権の付従性」と呼びます。(主たる債務が消滅すると、それに伴って抵当権も消滅するということ。)
つまり、ローンを完済することで抵当権は勝手に消滅するため、基本的には既存銀行側に何かアクションを求める必要は無いのです。

ただし、権利は消滅したとしても不動産に付されている「抵当権設定登記」は勝手には消えないため、「抵当権抹消登記」によって削除する必要があります。
抵当権抹消登記には削除の対象となる抵当権の「登記識別情報(従来の権利証)」が必要となりますので、完済後に当該書類を受取りに行かねばなりません。
なお、こちらは新たに設定する抵当権(借り換え後のもの)を登記するのと同時に担当司法書士が行ってくれますので、申込者側が何かをしなくてはならないということは基本的には無いでしょう。

“伝えないで欲しい”と言われるケースも

新規借入先は、既存金融機関側の「引き留め」に戦々恐々としています。
そのため、出来るだけ申込者を通さずに既存銀行側とやり取りを行い、極力接触させないように動いています。
表立って「伝えないで欲しい」と言われるケースもありますが、これは拘束力のない単なる“お願い”に過ぎず、伝えるか伝えないかは申込者の自由です。
状況に応じて個別に判断しましょう。